2004年5月2日(日)14:44

ローマ法王はEUのキリスト教的根源を強調

ローマ(AP)

ローマ法王ヨハネ・パウロ二世は土曜日、EU拡大の実現を歓迎する発言を行った。しかしピエトロ広場で数千人の信者を前に説教した法王は、異なる文化間の対話というような大きな課題を果たすためには、経済的、政治的統一だけでは不充分である、と戒め、そのためにはヨーロッパ大陸が自らのキリスト教的根源を再発見することが必要である、と述べた。「ヨーロッパの魂は今日もなおひとつにまとまったままである。なぜならそれは共通の人間的、キリスト教的価値に関わるからである。ヨーロッパの国民形成の歴史は福音帰依(=キリスト教化。訳注)の歴史と手に手を取って進んできたのだ」と法王は語った。

法王はイタリア語の説教に続けて、即興的に数分間ポーランド語で語った。ANSA通信社によれば、法王はポーランド国民に対し、土曜日の新規10ヶ国のEU加盟をもって、ポーランドの変革に端を発した拡大プロセスが完了した、と述べたという。

法王は欧州憲法の前文で神に言及するようあらためて求めた。EU議長を務めるアイルランドのバーティー・アハーン首相は土曜日、それはありえないと述べた。だが「ヨーロッパのキリスト教的価値や伝統」への言及は可能かもしれない、とも語った。この問題では、とりわけ教会と国家の分離を伝統とするフランスが、憲法前文でのキリスト教への言及に厳しく反対している。

原題:Papst erinnert Europa an dessen christliche Wurzel




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